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想うは貴方だけ。




「終わった……」



最後の一筆を滑らせて、ヴィルヘルムはペンを置く。

長く、拷問のような仕事がやっと、終わりを告げた。

緊張の糸が緩み、一つ、安堵のため息をこぼす。

そして机の上の、乱雑に積み上げられた本達の中に埋まっていたアフロン人形を手にした。

ポップンパーティ参加時に、参加者全員へと配られたその黄色い毬藻のような雛の人形は、クッションや枕などに適したサイズで、触り心地も抜群の上、反発性に優れていて、初めは人形を馬鹿にしていたヴィルヘルムだが、今ではお気に入りになっていた。

腕の中にすっぽりと納まる大きさが丁度いい。ぎゅっ、と抱きしめてやれば、肌に柔らかな感触が伝わってくる。



―――抱きしめる相手が人形じゃなければな……



人形を抱えたまま、ふと考える。

こういう時に限って、彼に逢いたい気持ちが胸の奥からふつふつと湧いてくる。

仕事中はその気持ちを抑えていただけあって、寂しさは余計に募っていた。

だが、逢いたいと願っても、すぐに逢えるはずもない。

彼は敵だ。それに、今は仕事で自国から離れていると聞く。

それでも、この気持ちは抑えようがなかった。



……逢いたい。

そして、その暖かな腕で抱きしめて欲しい……



「そのアフロ人形を抱えて、どの男の事を考えているのです……?」



聞きなれた声に、そこに在るはずの無い声に、驚きで身をこわばらせる。

いつのまにか、彼は目の前まで迫っていた。普段とは違う剣幕に、思わずたじろぐ。



「極卒……!違う、その……」

「言い訳は見苦しいですよ、ヴィルヘルム」



まさか、その極卒の事を考えていたなんて、恥ずかしくて言うことなどできない。

言葉をためらっていると、極卒は静かに怒りをあらわにした表情で、こう続けた。



「僕のいない間に僕のヴィルヘルムに近づいて、たぶらかすなんて。その男の名は何です?今すぐ斬り捨ててこなくては」

「っ……だから、違うのだ!」

「何が違うのです。……ああ、その男のほうをかばうのですね」



極卒は冷たい瞳で言い放った。その棘の在る言葉に、胸が痛む。

違うのに、本当の事を言い出せずに、彼を怒らせている。ためらいが、後悔へと繋がった。



「僕を思い出させてあげなくては」



椅子に座ったまま動けずにいたヴィルヘルムを、極卒は乱暴に抱き上げた。反動で、人形は床に落ちる。

軽々と抱えられたまま、極卒はその書斎を出、暗い城内を迷いもせず歩く。



「ご、極卒!おろせ!」

「その内おろします。大人しくしてなさい」



しばらく歩き、ある部屋へと極卒は入っていった。

照明が一つ灯っているだけの薄暗いその部屋はヴィルヘルムの寝室であった。

一人が寝るには十分すぎる程広い寝台に、乱暴に降ろされる。

そして極卒は、ヴィルヘルムを、上から体重をかけて押さえつけてきた。



「さあ、言いなさい。どこを、どのようにされたのです?」

「違う……!」

「まだ意地を張るのですね。それほど僕よりその男が大事ですか」



余計に極卒の怒りを煽ってしまった。極卒の言葉に、何も言い返せなくなる。

沈黙を守っているヴィルヘルムを、極卒は手荒に衣服を剥がしていった。

白く滑らかな肌はすぐにあらわになる。

だが、そこでいきなり極卒は手を止めてしまった。

怒りの表情は、陰りを見せていた。

冷ややかだった目が、哀しみを漂わせている。



「ヴィルヘルム……」



先程の勢いは無く、苦しげに極卒は言葉を紡ぐ。



「本当に、ヴィルが僕以外の人を好きになったのなら、僕はこれ以上……」

「違う、極卒」



彼の言葉を遮る。すると彼はいまにも泣き出しそうな目で、ヴィルヘルムを見る。



「本当は、お前の事を考えていた……」



途端、極卒の顔が、信じられない、と言った表情に変わる。



「本当、ですか……?」

「ああ。嘘などつくものか」



極卒はその言葉を聞いた途端にヴィルヘルムに抱きつく。

強い力で抱きすくめられる。あまりの力に腕が痛むが、それを振りほどく事などできるはずもない。

ヴィルヘルムもまた、彼のその暖かい腕を感じながら、彼の背に手を回した。



「……僕は、あまりにも長い間貴方と離れていたから……忘れられてしまったのかと……」



半ば涙声のまま、極卒は言った。

震えが残るその声を落ち着かせるように、ヴィルヘルムも言う。



「……忘れる訳ない。ずっと、逢いたかった……」



本心は、恥ずかしさのためらいもなく出てきた。

……ずっと、こうやって、抱きしめられたいと思っていた。

それが、やっと、叶ったのだから。



「ヴィルヘルム……」



優しく、極卒は名を呼ぶ。その声に応える様に……

そっと、触れるような口付けを交わした。

何度も角度を変えて求め合っている内に、それは段々と激しさを増す。

水気のないそこで鳴るはずの無い水音が淫らに響き、その音にヴィルヘルムの心臓は段々と高鳴っていくのを感じた。



「ん……」



唇は重なったまま、極卒は肌にそっと触れてきた。

彼の指先が、胸の飾りを、きゅ、とつまむと、それだけで身体の奥が疼く。



「はぁっ……んぅ……」



いたずらに、極卒はヴィルヘルムの乳首を指の腹で押しつぶすように捻ったり、転がしたりし始めた。むず痒い快感が、身体中を走る。

胸をいじられただけなのに……もう下肢が熱を持って疼き始めた。



「は、あ……んっ!」



爪を立てられてしまえば、痛いはずの感覚も、今は快感に変わって。

嬌声が上がる口からは、舌を絡められながらも、淫らに液体が滴る。

極卒は、口から零れた蜜を舐め取ると、そのまま唇を下に落として行き、熟れた尖りを舌先で舐めた。彼の手はまだ、片方の突起をいじったままで。同時に与えられる違う快感に、どうしようもなく感じてしまう。



「ああっ、ん……っ!」

「少し弄っただけで……いやらしいですね、貴方の身体は」

「や、違っ、あぅ……!」



彼から与えられる快楽を、身体が期待していた。

逢えなかった分だけ、我慢していた分だけ、感じやすくなっている。



「ここも……もう熱くなってる……」



そう言いながら極卒は下肢に手を伸ばし、布の上からそっと触れてきた。

途端、痺れるような疼きに、身体が弓なりにしなる。



「い、あぁっ……!」



甘く、嬌声が上がる。

その反応をさらに楽しむように、極卒は、熱くなったそれを隠す布を暴いていった。

熱が空気にさらされる。その熱を包み込むように、極卒の手がそれを揉み始めた。



「あっ、あぁ……はっ、んっ!」



乳首に与えられる快感とは比べようにも無い快感に、嬌声を抑える手段はない。

既に先端からは我慢ができずにいやらしい蜜が零れ始めていた。



「もうこんなにして……淫乱ですね……」

「や、ぁっ!ちがっ……!あっ、あぁ!」

「違うと言う割には良く濡れていますが」

「言う……なっ、ああっ!あ、あっ……!」



極卒の指は、さらに分身に絡んでくる。

先端を指の腹で撫で回すように愛撫されるかと思えば、裏筋を、なぞるように滑らせて。

ぎゅ、と握られるような感覚があれば、疼きはもう、止まらなくて。



(あ、も、駄目……!)



熱が弾けそうになった瞬間、指が離れていった。

あと少しの刺激で、達けるのに。寸前で放り出されて、苦しさに涙が溢れる。



「イきたかった?」



意地悪く、極卒はくすりと笑う。



「でもごめんなさい。僕は貴方にどうしても意地悪したくなるのです。さっき、僕は貴方が他の男の事を考えてると思って……僕を不安にさせた、仕返し」



そう言って、極卒は、脱ぎ散らかした衣服の中にあった、ヴィルヘルムの黄色いスカーフを手にし、それでヴィルヘルムの熱い陰茎の根元をきつく縛る。



「僕より先に達してはいけませんよ」



そして、極卒は両足を大きく開かせ、下肢に顔を埋めた。

その体勢をとるだけでも恥ずかしいのに、極卒はさらに恥ずかしい部分に舌を突き入れる。



「あぁ、い、やっ……!」



くすぐるように舌はうごめいて、中はすぐにとろけだす。

最初は羞恥のあまりかたくなに拒んでいた入り口も、ねっとりとした舌使いと、執拗な愛撫で、甘く、ほころんでいく。



「柔らかくなってきましたね……ここでも、感じているのでしょう?」



股間で話をされると、吐息がかかったり、少しの身じろぎが敏感な場所に伝わってきて、ますます、快感が追い上げられていく。



「あっ……ん、やぁ……!」



愛撫を与えられるたび、下肢はびくんとうごめいた。

どうしようもないほど、熱は、疼き。だけど、達する事は許されない。

すると、今度は、舌とは違う感触が、中に進入してくる。

それは、内壁を撫でるように動き、段々と奥へと向かってくる。



「っ!あぁっ!」



肉筒の、一番敏感な部分に、それは触れた。一際高い嬌声があがると、極卒はそこを集中的に触ってくる。



「ここがいいんですね?」

「あっ、あぁ……!やっ、もっ、駄目っ……!!」

「……もう少し我慢できるでしょう?わがままは駄目ですよ?」



そのような事を言いながらも、極卒は感じやすいその部分から離れようとはしない。

むしろ、先程より強い愛撫にかわっている。



「……やっ、……あ、ぁあっ!……頼むっ……!!」

「……いやらしい身体ですね……そんなに欲しいのですか?」



極卒はわざといやらしく聞いてくる。

あまりにも恥ずかしくて、頭がぼやけて、目が霞む。

それでも身体の奥で疼く熱は、その存在を主張し続けるのだった。



「可愛くおねだりできたら……いいですよ?」



羞恥も限界だった。なのに、その言葉を言え、と極卒は言う。

その言葉を紡ぐのは、屈辱だった。だけど、下肢は狂おしく疼くばかりで。

その甘い疼きが、達することができないのが、苦しくて。



「ごくの……奥までいっぱい欲しいっ……」



恥ずかしさのあまり、涙が溢れた。

顔が極限まで火照り、熱い。

そんなヴィルヘルムを、極卒は優しく見つめていて。



「良いですよ……壊れるくらいに、あげましょう」



太腿の狭間に、熱く猛った性器が突き刺さる。

あまりの質量に、その衝撃に、息が詰まる。



「ああぁぁっ!」



卑猥な水音を立てながら肉棒が中を掻き分けていく。

ずぶずぶと入り込んできたそれをヴィルヘルムの肉筒はいやらしく飲み込んでいく。

最奥まで受け入れると、極卒はいきなり激しく腰を動かし始めた。



「あぁっ!ああぁっ!ごくっ……!」



貫かれるたび、強い快感が走った。貪るように快感を味わおうと、ヴィルヘルムの腰も淫らに動き始める。

だけど、達する事はできない。感じることでさえ苦しいのに、それでも快感が欲しい。



「あぁ、あっ、ごく!ごくっ……!」



必死でその名を呼ぶ。

達したい、それを訴えるように。愛しさを込めながら。



「ヴィル……っ!」



彼がその名を呼びながら、性器の戒めを解いた。

途端、強い快感が体中を駆け巡る。



「あ、ああああぁぁっ!」



その瞬間に、意識を手放してしまったようだ。

目が覚めると、後ろから抱きすくめられる感覚があった。

その腕の中で身じろぎすると、彼が笑みを浮かべながら問う。



「起きました?……気を失うほど、よかったのですね」



まだ恥ずかしい言葉を言う極卒に、少し腹が立つ。

そうやって、まだ自分を苛めるつもりなのだろうか。



―――言ってやらないと、わからないのか。



恥ずかしいけれども。

ヴィルヘルムは少し乱暴に極卒にしがみつく。

そしてまだ暖かい身体の中で、その言葉を言おうと、深呼吸をした。



「極卒……愛しているのはお前だけだ」



お前以外を愛するはずがない。

お前以外を想うはずもない。

私は今までも、これからも、ずっと、お前を愛しているから。

だから、もうそうやって苛めないで欲しい……



この想いを全て口にするのは恥ずかしかった。

だけど、この想いに気付いて欲しい。

もう、彼を不安にさせる事がないように。



「っ、貴方って人は本当に……」



彼が何を言おうとしたのかはわからない。

だけど、優しく重ねられた唇が、暖かくて、心地よかった。





身をゆだねれば、暖かい腕がヴィルヘルムを包み込んでくれる。

そうやって彼が想ってくれるのが、嬉しくて、愛しくて。

幸せに包まれながら、眠りへと落ちて行った。














―――――


あとがき


えろ書くのは恥ずかしいですね!(今更
鬼畜にしようと思ったんですが、できませんでしたorz

いつか鬼畜にリベンジしたいです←








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